【田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」】

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なぜ、現代はこんなに労働をしないといけないことになってしまったのか

 

毎回amazonがオススメしてくれる【田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」】気になっていたのになぜか読んでおらず、ついに読むことができました。


 

筆者の渡辺格さんは、岡山でパン屋をしています。そのパン屋の経営理念は「利潤を出さないこと」

矛盾しているようにも聞こえるその言葉には、確固とした意志を持った意味がありました。

渡辺さんは、パンと関わる中で自然に発酵させる「天然酵母」の仕組みを考えていくにつれ、【腐敗】か【発酵】するのが自然の摂理に沿っているのに【腐らないお金】という存在が、不自然な資本主義を作っているのでは?ということを考え始めます。

なぜ、労働時間をこんなにも長くしなければ会社は成り立たないのか。

企業が価格を下げるとどういうことになるのか。

価格を下げるということは、良いことのように聞こえるけど、結局誰のためにもなっていないのではないか。

利潤が目的になってしまうと、どういう世の中になるのか。

そんなことを、わかりやすく書いてくれています。

 

「ゆっくり、いそげ」にも共通する箇所

 

影山知明さんの「ゆっくり、いそげ」という本に多大な影響を受けた私は、読み進めていくうちに渡辺さんの言おうとしていることにピンときました。

それは「利益は、お店や企業を継続させるための手段であって、目的ではない」ということ。

「利益を出さなければ、経営はなりたたないじゃないか!」という意見はもちろんで、続ける以上は利益は出していかないといけません。

でも、利益を出すことは目的ではなく手段だということ。他にもっと大きな目的がありますよということ。追求するのは利益ではないですよということ。

これは、大きな企業になればなるほど難しいのかもしれません。「利益は会社や社員のために大切だから追求しよう!」というのも、確かにと言わざるおえません。

でも、そうじゃない経営があってもいいはず。

そんな「腐らないお金中心の経営」から「発酵を繰り返す腐る経営」へ。

そんなことをわかりやすく示してくれている本でした。

この本を読んで、小商いという生き方により一層興味が出ました。食品は好きだけど、経済の話はちょっと…なんていう人にもわかりやすくオススメの本です。

 

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