生きる力ってなんですか?
生きる力ってなんですか?
偶然図書館で目にして、読んでみたところ、考えさせられるなあと思った本。
【生きる力ってなんですか?】
ざっくりとしたこの問いを、7人の識者が子どもにも分かる言葉で語っている。
内田樹さんは「システムの存在しない場に、自力でシステムを作り出す力」だと言う。
お金というシステムが無くなったとき、会社というシステムが無くなったとき、どうして良いか分からない答えのない危機的状況になったとき、ルールが通用しないときに、生き延びる方法を見出す人。
目の前にある有限の資源を使って、なんとか乗り切ろうとする力。
乙武洋匡さんは「自分の人生を自分で決めていく力」と定義している。
小学校の教師をしているとき、些細なことでも人に答えを求める生徒の多さに愕然としたそうだ。自分で物事を判断できず、すべて先生に聞く子は失敗をしないかもしれないけれど、社会に出たときにはどうなってしまうのだろう。
「あれはダメ、こうしなさい、こうあるべき」という指図する教育は、子ども自身が失敗して自分で考える機会を奪う。そうして、大人が子どもの生きる力を奪っているのでは、という言葉には、ドキッとする。
出来るだけ少ない打数で効率的に進む人生ではなく、むしろたくさん挑戦してたくさん失敗し、それを生きる力に変えていくことが大事ではないか、と。
他にも、「おかしいことをおかしいと言える力」や「自分のことだけでなく地球の命も考えられる力」、「大志を抱くことで維持できる力」など、それぞれの定義でわかりやすく書かれている。
生命力はそれぞれの生命にもともと備わっているけれど、夢や希望をなくしたときその生命力は弱くなり、大志を抱いたときにその力が最大限に発揮される、という言葉にはハッとさせられた。
確かに、自分の目指す方向に向いているときには日々の生活も鮮やかになり「生きている実感」が強まる。なんとか目の前の事態を乗り切ろうとするアイディアも勇気も湧いてくる。
「生きる力」と「希望」は無関係ではないようだ。
アンパンマンマーチは生きる力の湧いてくる歌
最近、我が家のテレビからはアンパンマンの歌が流れてくる。小さな家族のひとりが、自分でDVDを持ってきてセットして再生している。
そのDVDは冒頭にアンパンマンマーチが流れるのだけれど、それが頭にこびりついてしまい、私も旦那さんもちょくちょく口ずさんでしまうようになった。
忘れないで、夢を。こぼさないで、涙。だから、僕は行くんだどこまでもー。
その歌詞をふと思い返すと、アンパンマンマーチはまさに生きる力の湧いてくる歌である。
やなせたかしさんは、もしかしたらアンパンマンを通して「生きる力」の重要性を説いてくれていたのかもしれない。そう思うと、アンパンマンが長年にわたり人気の理由も見えてきそうな気がする。
生きる力って、なんだろう?いつか子どもにそんなことを聞かれるかもしれない。その時に、自分の中での答えを持っていられたらいいなあ、と思う。
生きる力ってなんですか?関連記事
コメント4件
おもしろそうな本ですね!
「生きる力」っていう言葉からは、まず「強さ」とか「たくましさ」を想像しますが、「楽しめる力」や「好奇心」っていうのも大切で、自分が好きでやってる事に対して、傍から見た人が「たくましい」とか「粘り強い」とか見えたりすることもありますよね。
そう考えると、子どもの「楽しいと思う感覚」を尊重してあげることも、「楽しむことに対して自信が持てる人になる」ために大人ができることだと思います。
私も、子供が小学生だったころからず~~と、”生きる力を付けなさい、”と言い、それを助けることに優先させて指導してきました。私の言う生きる力とは、自分で考えて切り開く力です。それを養うために、義務教育は基礎中の基礎だからしっかり身に付けなさい、と・・・大して聞き分けてもらえなかった気がしますが、それでも最近は判ってくれているようです。ただ、その理解したことが行動に伴っているかというと甚だ疑問です。一つ言えることは、小さいころから言い続けてきたことは理解していてくれるようです。ꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)