『壁がない空間』のススメ
青空の下で、お酒やコーヒーを飲むことが好きです。
壁がない、屋根もない。天気や季節を感じる。
だからこそ、良い。
そんな気持ちを味わってもらいたくて、移動販売をはじめました。
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壁がない、ということは、お客さんと通行人の境界線が極めて曖昧だということ。
あなたは、買ってくれたから(店内に入ってくれたから)お客さん。
あなたは、買ってくれなかったから(店内に入ってくれなかったから)お客さんじゃない。
そいういう境目が、限りなくぼんやりしている。
『いらっしゃいませ』ではなく、『こんにちわ』や『おはよう』そんな言葉が似合うのも、屋外ならでは。
お外でぼーっとすることが、大人になるにつれ減ってくる。
忙しくなるにつれ、目的的ではない時間を過ごすことが出来なくなってくる。
でも、お気に入りの場所でぼーっと過ごすことは、人生をより豊かにすることは間違いない。
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日曜日、豊田市駅の松坂屋とT−FACEの間、ペデストリアンデッキの○七商店に行ってきました。
仕事の話も兼ねて、約半日ぼーーーっとしていました。それはそれはもう、ぼーーーっと。お得意の人間観察も忘れずに。
年配のおっちゃんが、新聞を広げながらビールを飲んで。その傍らで、ベビーカーをひいたママが、ひとりで青空の下でビールを飲む。
高校生の女の子はシールの交換をしはじめ、男女の若いグループはお酒を楽しみながら話に花を咲かす。
三世代でコーヒーを飲みながらお買い物の休憩をしているテーブルや、カウンターで盛り上がるアメリカ人のお客さん。
みんな思い思いの時間を過ごしている。
すると、JAZZが始まって人が集まってきて、さらに気持ち良い空間に。
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今まで、時間に余裕がなく、足早に通り過ぎることが多かったペデストリアンデッキ。
豊田市の『あそべるとよた』のプロジェクトの一環。
市を通して、こういう空間ができるということは、本当に凄いことなんじゃないかと改めて思う。
【みんなで、まちなかをつくる】そういう意識が、こういうパブリックな空間をより良くしている。
〇七商店として『お店』ではあるけれど、公共の空間に限りなく近い。
そこに、壁は存在しない。
そして大切なのは、それが突発やイベントのみではなく、まちに暮らす人々の日常になっているということ。
きっと私は、こういうことをやりたかったんだと思う。
すごくちっちゃなちっちゃな規模だったけど、もしかしたらNONでもそんな空間が出来ていたのではないか、と思うと嬉しくなる。
まちのプロジェクトとして、今、駅前にそういう空間があることが本当に幸せだと思う。
こんな空間がずっと続いたらいいし、こんな空間をもっといたるところに展開できたら、まちなかの楽しみ方はさらに広がる。
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【壁がない】ということは、クーラーよりも心地いい風を生み出す。
【壁がない】ということは、ひとりだけど、独りじゃない。
【壁がない】ということは、国籍や老若男女の壁をも無くしてくれる。
やっぱり、青空の下で過ごすことが大好きだ。
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NON号は、秋頃、新しい店主を迎えて生まれ変わる。
場所は、おそらく変わることになる。
いま、その為の作戦を練っているところ。
まちなかに、また1つ壁のない空間が出来ることを、私も楽しみにしている。きっと心地よい風が吹く場所になる。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。豊田市駅の移動カフェcafebusnonの希でした。
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コメント6件
こんばんは。
Nonさんのブログは毎回楽しみに拝見してますが、
今回のブログそのものが
「壁がない空間」というタイトル通りの開放感というか、
それをnonさんが堪能した感じ満載のちょっと詩的な感じを受けました♪
Cafebusnonの最終営業月となる今月は
私の仕事の休み的にスケジュールがなかなか合わなかったり、
営業日に休日でも疲れ気味で外出する力が無かったり。
(私の職場にご来店頂いてしまってるのに、こちらは行けておらず
申し訳ないです><)
私のスケジュール考えると、
「nonさんが切欠となって作ってくれた素敵な壁のない空間」
にいけるのはもうあと1日だけ!
その日だけは何があってもお邪魔する気概でいますので
宜しくお願いします!
お久しぶりです。そんな場所が一つ豊田から無くなってしまうのがちょっぴり寂しい
今までありがとう・・・
のんちゃん、おはよ。
エスカレーター上がったとこのことかな。
あそこはいい場所だよね。僕もデッキやテラス席は大好きです。
多分、平日と土日で人通りも違うから人間ウォッチングには最適だし(笑)
nonでいう僕の場所?壁側の脚立の上に座って右側にのんちゃん、左側にお客さん、正面に通行人、上に青空という特等席でした。
ここにいると日常から解放されて気持ちがいいんだよね。
僕の中で、nonは移動販売車というより、花に近いです。決して自己主張してるわけではないけど、いつも同じ場所に咲いてる感じ。
次の再開場所もそんな場所が見つかるといいかなと思ってます。