バリスタとして、あなたに出来ること
昨日の、バリスタって本当に幸せな仕事だなーと思ったこと。
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いつもお昼の休憩中に大きなサイズのアメリカーノを買いに来てくれるお客さんがいます。昨日もいつも通りの「16ozのアメリカーノ」のご注文の時に、「いつもより、2割ほど薄めに淹れてほしい。」と、ご注文を頂きました。
私はそのお客さんをいつも、大きなサイズで頼むこと、初めて来店された時に「ホットコーヒー」ではなく「アメリカーノ」と、迷うことなく注文されたこと、1度だけ夕方に来店された時には「エスプレッソのダブル」を無糖で飲まれていたこと
などなど、注文スタイルで、《きっと、しっかりしたコーヒーが好きで、飲み方に対して自分流の楽しみ方を知っているお客さんかなあ》と予想して、すこーし濃いめにお渡ししていました。
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昨日は、他にお客さんがおらず、コーヒーを落としている時にこんなことを教えてくれました。「世界で1番大好きなコーヒーはお父さんが淹れてくれたコーヒー」であること。「いつものアメリカーノを少し薄くしたら、その味に近くなる」ということ。
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きっと、その方にとって「お父さんの淹れてくれたコーヒー」はすごく特別なコーヒー。それを超えるコーヒーはないのかもしれない。でも、その思い出の味に近づけることが出来るなら、出来る限りの事をしてあげたい、と思う。
名前も、まだ知らないないお客さん。でも、どんなコーヒーを求めているか、は知っている。お客さんにとっての、特別な記憶が、すこしよみがえる。そのお手伝いが出来る。本当に幸せな仕事である。
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コーヒーの苦さが苦手なお客さんもいる。ここのコーヒーなら飲める!といってくれるお客さんもいる。「こんな味」のほうがもっと好みだなあ~、って言ってもらえることは、幸せなことだと思う。
ひとりひとりのお客さんと、お気に入りの1杯を創ること。その為に、知識や技術を身に着ける のがバリスタなんじゃないかな?と思う。
世界一おいしいコーヒーを淹れることよりも
目の前の人にぴったりな1杯を淹れること
それが、私の憧れるバリスタ。
お店の主役は、コーヒーじゃない。お店の主役は、人。その為に、知識も技術もまだまだまだまだ、必要。何のために、勉強するのか。何のために、練習するのか。《何のために?》の目的をしっかり持つこと。いつも忘れないこと。
改めて、実感した1日。お客さんに教えてもらう事って、本当にたくさんある。有難や。
誰かの毎日に、そっと寄り添う1杯を。
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