『お姉さん、前はバリスタだったんですか?』
ちょっと前にお客さんに質問いただいて、それから自分の中で、ぐるぐると考えていた言葉。
「お姉さん 前 はバリスタだったんですか?」
うーーーーーーーん、なんと心に残る質問。なんでかって言うと、そのとき改めて私は 今、バリスタなのか?バリスタじゃないのか?と、意識したから。
その方は、単に前の職業を聞いただけだと思う。だけど、自分にはとても心に残った。
自分が今、《何である》って、あんまり意識していなかった事に気付いてしまったから。
店舗ではないし、『カフェバーに立ってコーヒーをいれる人』ではない。じゃあ、なんだろう???
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お店で雇って頂いて働いていたときは、きっと《バリスタ》。でも、その時より今の方が絶対に、目の前のお客さんひとりひとりにぴったりなコーヒーを渡せている自信がある。
いつも通ってくれているお客さんであれば、どのメニューが好きなのか。お砂糖ミルクは使うのか。
好みの味の濃さ、好みの温度(熱めが好き、ぬるめが好き氷の量や液体そのものの温度。持ち帰って飲むのか、今すぐに飲むのか)
甘さの調整(甘くする、と言ってもシロップを増やすのかコーヒーを減らしてミルクを増やすのか、どちらがこのお客さんは好きだろう?)
気温の変化による感じる温度の違い(屋外で営業しているから寒くて凍えそうな時は、買ってくれる目的が、手を温める事かもしれない。冷めにくいメニューがいいかもしれない。いや、単にコーヒーが飲みたいだけかもしれない。なにが、今のベストかなにを、望んでいるのか)
初めてのお客さんであれば、頼み方や伝え方で、なんとなく読み取る。
「どれが1番甘いですか?」と聞かれたら、甘いのが好きなのかな とか お子様と飲むのかな とか コーヒーは苦手だけど、ラテアートが好きなのかな とか。
コーヒーしかないお店で「おすすめ下さい」と言う方は、きっとコーヒー好きなお客さんかな とか。
「氷を抜いてください」と言われたら、お子様が飲むのかな とか薄まるのが嫌なのかな とか、冷たすぎる飲み物が苦手なのかな とか。
それによって、少しずつ ぴったり な作り方は変わってくる。
なんとなく、想像する。当たらないかもしれないけど、想像する。
大事な事であれば、会話に織り交ぜてさりげなく聞いてみる。それから、自分の基準を元に美味しく渡せる範囲で微調整する。いつものお客さんであれば、1番大事な《どうしてここに寄ってくれるのか》その目的も、ひとりひとり違うはず。
だから、想像する。
感じる事、想像する事、ふとした会話の中から発見する事、覚えていく事。それを繋ぎ合わせて、一杯のコーヒーを創る事それが、私の仕事。そんな事が楽しくて仕方がない。
もちろん、全てを満たすことは出来ないかもしれないし、ドリンクを作るときに、コーヒーの常識とか自分の基準はあるんだけど、、、ひとりひとりのお客さんと、信頼関係を築きながら一杯のコーヒーを創る。
同じドリップコーヒーというメニューであっても、○○さん用と△△さん用は同じではない。その人の事を思いながら淹れている。
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そんなことを考えていた。
そんなことを考えていたら、結局、バリスタでもバリスタじゃなくてもどっちでもいいんじゃないか?
と、いうところにたどり着きました♪
名称がなんであれ、私の《すべき事》《したい事》は 変わらない。
目の前のお客さんに、ぴったりな一杯を創ること。《お気に入り》を一緒に探すこと。その一杯を通してその人の暮らしをちょっとだけ、豊かにすること。
それが、私の職業。
たくさん考えさせてくれた質問に、お客さんに、感謝。
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そうなんだ!よねぇ。
この過去記事に、今、気がついて思った♡
肩書は、ラベル化されてイメージし易くするもの。
本質が大事だ、と私も思います。