「育つ」のをサポートする、という視点
ある日、家に帰ると庭のすみっこに畑ができていた。
これはもう、彼の仕業に違いない。彼の大好きな番組、鉄腕DASHの影響に違いない。
実は私は、植物を育てるのはすごく苦手。なんか知らないけど、いつも気付いたら枯れてしまう。
実家にいる時は、もらってきた球根やお花はすべてお母さんに丸投げしていた。
動物も育てたことないし、仕事上でもそう。「育てられる」体験はしていても「育てる」体験はほぼ皆無に等しい。
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植えたすぐの何日かは、朝、水をあげるのを忘れて干からびそうになってしまった。彼は毎朝、家にいるわけではないから、私が忘れてしまったらダメなわけで。
最近は忘れないようにお水をあげている。
だんだん慣れてくると、お花や植物にお水をあげるのは結構たのしい。
乾いた土に水をあげると、ごくごくと美味しそうに飲み干していく。植物も潤いはじめ、クテっとなっていた葉っぱがだんだんピンッとしてくる。
「ありがとう」という声が聞こえてきそうなほど、この水を楽しみに待っていたのであろう。
水をあげている瞬間は、心が穏やかになる。
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少し前の話。
コーヒーをドリップしていたら、その光景を見たお客さんに「植木鉢に水をあげているみたい!」と言われたことを思い出した。
確かに、今思えば、植木鉢にお水をあげるのとコーヒーをドリップするのはよく似ている。
どちらも、丁寧に接することで優しい気持ちになるのだ。植物が「元気になあれ」だとしたら、コーヒーは「美味しくなあれ」かもしれない。
自分を押し出すのではなく、目の前にあるモノの様子を感じながら注ぐ。そんな感じ。
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「育てる」というと、気負ってしまうような気もするけど、もしかしたら「育つ」のをサポートするというくらいでちょうどいいのかもしれない。
「育てる」は、親(育てる側)から見た視線。
「育つ」は、子(育っていく側)から見た視線。
あくまで、「育つ」という主役は「子」である。
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土壌を整え、水をやり、周りの雑草を抜いて、育ちやすい環境を作ることは出来る。
でも、私が出来るのはそんなことまでで、実際に大きくなっていく主役は「植物」である。
お腹の中の命だってそう。
なるべくいい環境にしてあげて、栄養をしっかりとってあげて、私にできることはすべてしたいと思う。
でも、実際に大きくなっていく主役は「本人」なのだ。
お腹の中にいたとしても、一人の人間。
私にできることは、まだまだ小さな命を、一人の人間として尊重し信頼することなのかもしれない。
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そんなことを思うようになったのは、先日貸していただいた1冊の本のおかげだ。
「大丈夫やで」著者:坂本フジエ
「産む」のではなく、「産まれる」のをサポートする。赤ちゃんの力を信頼する。心配しなくても、大丈夫やで。
そんな言葉で綴られている。
「ほんまにおめでとう!」と言いながら、大好きなお客さんが貸してくれた本。
不安が、和らぐような、肩の力が抜けるような気持ちになれた。とても素敵な本だった。
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庭のトマトも、小さな実をつけ始めている。まだまだ緑で、固くて、ちっちゃな実。
この実が少しづつ大きくなっていくのを、見守ろう。
私が育てているのではなく、トマトが育っている。そんな視点でいよう。
急がず、焦らず、のんびりと。
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最後までおつきあいいただきありがとうございました。
豊田市駅の移動カフェcafebusnonの希でした。
春になってやっと行くことができました。
ラテアート作っていただき、ありがとうございました。
僕の家にも3月に子どもが産まれてくれました。
生活が一変して大変だけど、ずっと一緒にいたい。
今はそんな感じです。
「どんな子に育てようか?」と一生懸命考えていたけど、このブログを見てハッとしたのでコメントしました。
子どもが「育つ」上で、視野を、世界を広げてあげられるよう愛情持ってサポートしていければと思います。
妊娠中も色々制限があって大変ですが、僕の奥さんは楽しかったみたいです。
お体に気を付けて、今しかない時間を楽しんでください。