田舎の暮らし【自治会の楽しみ方】
昨年の10月から、豊田市に引っ越しました。
豊田市の中でも、中心地を大きく外れた小さな山の上。標高およそ380m。人口、約100人。
住んでいる家の周辺は、比較的若い家族が多いゆるっとした団地。あえてこの場所を選択し、県外などから移住してきた人がほとんど。
少し離れると、家の間隔はとたんに広くなり、古くからこの地に生まれ育ってきた人が住んでいる。
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山で暮らす特権として、薪ストーブが設置できることや(密集した団地だと、煙の問題などがあるらしい)静かなこと、空気や星が綺麗なこと、仕事と暮らしの間に物理的距離を置くことでリセット出来ること、などなどたくさんのメリットがある。あ、あと土地代がものすごく安い。売れない可能性が高いけど。笑
田舎ならではの、おもしろいこともけっこうある。
その一つが、自治会。
一応、1ヶ月に1度、町の全戸(30世帯くらい?)に対して、集合がかかる。一応、全戸、参加必須となっている。
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最初は、この月に1度、2時間ほどの集会の意味がぜんぜん分からなかった。
2時間あったら、1つ仕事ができるのに、とか。出店から帰ってきて、疲れてる時にちょっとめんどくさいなあ…とか。その話、回覧板じゃだめなのかな?とか。
今、引っ越してきて5ヶ月経って、だんだんとその意味が分かってきた。
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この集会に来る意味は、おそらく8割は話し合いではない。
必要なのは、顔を合わせることそのものだ。
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時に、その自治会の最中に儀式のような事が始まる。みんなで同じ方向を向いて、2拍手1礼2拍手をし、なぜかみんなで日本酒を飲み、ピーナッツとあられと魚肉ソーセージが振る舞われる。
お正月の元日にも、朝から無人の神社に(一応、全戸)集合し、エンドレスで日本酒を継がれ続ける会が行われた。(おかげさまで、元旦は朝からとてもいい気分でした。)
もちろん建前上は「神様」という存在への、祈りや儀式ということいなっている。
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私は勝手に推測してみた。
マンションや、必ず役を決めなければならない地域は別として…
田舎の自治会やこういったお酒の酌み交わしは、シャイな田舎の人が編み出した、精一杯のコミュニケーションの方法なのではないか。
田舎の、さらに年配の(特に男性)は、ぶっきらぼうな人も多い。
だから、こうして(一応、参加必須というカタチで)顔を合わせていく内に打ち解けて、困りごとが起きた時や、助け合いが必要な時、生存確認したい時のために備える。
きっと、そのための手段なのだ。そう思うと、急に、なんだかその会自体がかわいく思えてくる。
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その自治会の会場までは、だいたいのおじいちゃんは軽トラでやってくる。会場の入口は、軽トラがズラッと並んでいる。軽トラにのって一斉に山を登っていく姿は、なんだかキュンとする。
薪ストーブ用の木を「好きなだけ持ってけ」と分けてくれたりする。「お前さんお米、買っとるのか?そんなん俺が育てた米やるわ」とくれたりする。
ぶっきらぼうなんだけど、話してみるととても可愛かったりする。
その自治会中の様子を観察しているのも、非常におもしろい。
いっつも喧嘩しているおっちゃんとか、もう本当にかわいく思えてくる。そして、だいたいの議題は解決しないままお開きになったりする。
解決すること自体が目的ではなく、困ったことや悩みをひとりで抱え込まないようにすることが目的なのではないかと思うほどだ。
無意味に思えることでも、裏側の意味を見つけ出せば、納得することも多い。
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これからも、ここに住んでいる以上、一生この会は参加していくことになる。
だとしたら、出来る限り、楽しさを見つけ出すことが重要だ。
人間観察が趣味の私にとっては、いい機会。
いつか、こういう会を通してでも、ゆるっとしたつながりの中でもいい。みんなの畑作業や薪割り作業の合間に、一杯ずつ丁寧にコーヒを淹れてあげたいなと思う。
田舎リポート、終わり。
最後までお付き合いありがとうございました。豊田市駅の移動カフェcafebusnonの希でした。
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コメント7件
うちの町内の公民館の掃除や
土手の草刈とかもそんな感じ(^^)
あ、写真の物干し、生活感あっていいなぁ(笑)
一度薪割りしに行きます!!
趣味が人間観察・・・あ、同じだぁ〜、なんか嬉しい
のんちゃん、そんな山奥に住んでいるんだね〜ヘェ〜びっくり⁉️
丸い天井って、このことか!
シャレオつですねー(*´∀`*)
のんちゃん、おはよ~。
私は里の田舎に住んでいます。
のんちゃんのお人柄なので、いろいろと皆さんが助けてもらえるのがよくわかります。
和をもって尊しとするコミュニティなので、顔が見える付き合い方が基本ですよね。
わたしもその田舎暮らしが好きで、居を構えていますよ。