蚊の泣くような声とは、このことだな。
私は、もともと声が小さいです。
というか、大きい声を出すのが苦手。そして、全然通らない声。たぶん口大きくあてけ喋らないからなんだけど、店員さんへの「スイマセーン!」が何より苦手です。
普段ですらそんな感じなのに、金曜日からますます声が出ず、金、土、日と来ていただいた方にはご迷惑おかけいたしました。すみません…。
喉が痛いわけではないのだけど、鼻をかみすぎて耳がポーンってしている感じ。エレベーターでずっと登っているような感じ。
現実と自分との間に分厚い空気の膜がある感じ。
こういう時って、声まで出づらくなるんだな〜。
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初めて会うお客さんはきっと、ささやくような喋り方の変な人だと思ったに違いない。コソコソ話みたいな声。
こういう日は、お客さんに本当に助けられる。特に平日の朝は、ほとんどの方と目で会話できるようになっている。
朝、並んでいただいている間に、目の端っこでお客さんの並び順を確認して、ドリンクを作る順番を頭の中で想定する。
(○○さんはドリップ、その次が〇〇さんだからモカ、その後ろは〇〇さんだからドリップ…〇〇さん電車の時間に間に合うかな。〇〇さん、いつもより早めの出勤だな…etc)
こうして、ぐるぐる想定してしまうから、目の前のお客さんに集中しようとあえて意識的に視野を狭くしたりする。
そして、商品を言うこともなく、金額を言うこともなく、ありがとうの表情とアイコンタクトをお互いが浮かべたままやり取りすることもある。
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この、目の会話が私はけっこう好き。
ほとんど言葉はないけど、ちゃんと伝わっている。受け取っている。これをお互いに感じていたら、なお嬉しい。
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声といえば、以前ひとりの女の子に突然手紙を渡されたことを思い出した。手紙には、こう書いてあった。
「少し前から、声が出ないので、手紙で失礼します。〇〇○○と申します。私もこの仕事がしたいです。よかったらお話し聞かせてください。」
渡した後の目を見て、強い意志を感じた。即「もちろん!」と返事をした。笑った顔が、最高にかわいかった。
声が出なくなることはいろんな原因があるらしいけど、この時の訴えは目で見事に通じた。
きっと日常生活は不便だったんだろうな。たった3日でも不便なんだもん。
しばらくして、移動販売のバイトを始めたその子がお店に来てくれた。もう、声は取り戻していた。はじめてきいた声は、本当に可愛かった。優しくて、素敵な声だなって思った。声を聞けたことが、本当に嬉しかった。
これからも大切な友達であり、同志でありたいな。
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声も、言葉も、仕草も、その人を表す一部。
表情と、目線は特にごまかせない繊細な部分。多分、その人の人間性が現れてしまうんじゃないかと思う。
どの部分が欠けても、他の部分でカバーできるようにもっともっと感性を磨きたいな。
3日間、蚊の鳴くような声で、失礼しました。
火曜日には、戻っていますように。
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コメント6件
文学少女のような、文章ですねー。とても繊細な性格が出ていて、思わず読んでました。お仕事頑張って
のんちゃんこんばんは^^
うちの嫁さんものんちゃんと同じタイミングで声が出なくなってました。
風邪かと思い、のどに効く風邪薬とのどスプレーとのど飴を買って使わせています。今日はだいぶ声が出てきましたが、油断させないようにしています。薬飲まなきゃならんのにビール飲んだりする嫁さんなので(;^_^A
だいぶ寒くなってきたのでお大事にしてくださいね♪
のんちゃん、おはよ。
声が出ないなんて大丈夫?
ずっと鼻の調子が悪そうだったから心配してたけど。耳鳴りしてるような感じなのかな?
いつも、横の椅子に座りながら見てるけど、常連さん達で慌ただしいときはチラッと相手を確認しながらでも、体はもう動いてるよね。NONならではの光景。
でも、新規さんのときはしっかりと相手と会話して一呼吸してから作る。
当たり前のことだけど大切なことだよね。
僕は、のんちゃんからたまにくるノールックパスが好きです(笑)
早く回復しますように。