職人って、こういうことなのかもしれない
先日、有松へ行ってきました。
有松絞りで有名な、名古屋市緑区のちょっとした観光スポットです。そこで、60年くらい伝統工芸の有松絞りをやっている先生のお話を少し聞くことが出来ました。有松絞りとは、布に型をおこし、その型にそって糸を巻いていき、そのままの状態で染めることであえて色ムラを作り、布にデザインする染め方です。
見た時に、なんて芸術的なんだろうって思いました。でも話を聞いていくうちに覆されました。芸術的だけど、決してアートじゃない。
デザインとして型を起こす人がいて、糸を巻く人がいて、染める人がいる。型を起こす人は、今求められている柄、ちゃんと売れる柄を調査し、それを基準にデザインを決める。
糸を巻く人は《自分の模様》というのを与えられ、生涯その模様のみをひたすら習得する。糸を巻く人は、出来上がりの染め上がったのを見ることはほとんどない。
こういう模様をつくりたい!とか、こんなデザインをしたい!とか、そういうことではなく、仕事としての完成度を求めてひたすら目の前のことに打ち込む。そこに、好きも嫌いもない。まるで、ひとつの《役割》かのように、ひたすら打ち込む。その手は、職人さんとしか言いようが無い。
自分の仕事概念とは逆だからこそ衝撃的だった。
少し前に、話してくれた職人気質の大先輩もそんな話をしていたのを思い出した。《好きとか、嫌いとか、楽しいとかではなくて。自分の役割として最高の仕事をする》あの時の言葉は、こういう意味だったのかもしれない。
自分が伝えたいものを表現するのがアートだとしたら、きっと真逆。だからこそ芸術的なまでに美しいものが継がれてきて、今も自分たちは、それを手にすることが出来るのかもしれない。
《大きな会社の役割》《社会としての役割》《人としての役割》《家族としての役割》好き、嫌い、ではなく。楽しい、楽しくないではなく、目の前の仕事を最高のものに仕上げる。そんな生き方もかっこいい。どんな生き方をしていても、自分が決めた道を誠実に進んでいる人は、かっこいい。
そんなことを感じた日。自分と違うものに触れることも、けっこう楽しい♪
最後までお付き合いいただきありがとうございました。豊田市駅の移動カフェcafebusnonの希でした。
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コメント4件
伝統文化の継承、後世にしっかり受け継ぐ為に・・・だね。
僕のやってる剣道運動文化の継承とでも言えようか。
気構えをしっかりしとかんとかんですね。
見えない先のお客様の為に仕事するのは、その想像力は大きく持つ必要があるんだ。
僕の仕事もそうだし、のんちゃんが使うコーシー豆を生産してる皆さんも、そう思ってると思う。
僕ら生産者から消費者であるお客様に、しっかりと伝えて欲しいのが、農業者からのお願いでもある。
のんちゃんはコーシーを通じた、生産者から消費者に繋げる継承者なんよ(*^^*)
のんちゃんこんにちは^^
本物の職人さんは、本物を作る仕事に真摯に取り組んでることが、ものすごく伝わってくる。
そんな逸品を作ることが最高の生きがいなんだろうなぁって思いますね。