薪ストーブって実際どうなの?燃料代や大変なこと
4月になりました。今年の冬も、4ヶ月ほどお世話になった薪ストーブの季節が終わろうとしています。
昨今注目されている薪ストーブですが、実際に導入するには周りの環境への配慮が必要だったり、他の暖房器具より余計にコストがかかってしまうのではという疑問をもらうことがあります。
薪ストーブのある生活として2回の冬を超え、感じたことと薪ストーブの良さをまとめます。
【薪ストーブのここが好き】
まず、なんと言っても薪ストーブの醍醐味といえば火を身近に眺められるところ。うちはガスがないオール電化なので、普段火を見ることはありません。夫婦ともタバコも吸わないので、息子のつむつむ君からしたら、火は身近なものではなく、実際にみるのは薪ストーブとキャンプのときくらい。火の危険を伝えることと、火ってこんなに暖かくて素敵なものなんだよーということを日常の中で伝えられます。
そして、煮込み料理がことこと弱火でじっくり煮込めるのも、好きです。薪ストーブの上は、弱火で煮込むにはちょうどいい温度。冬は手抜き(でも美味しい、はず)の煮込み料理が増えます。
もうひとつは、冬の洗濯物がものすごく早く乾くということ。これは表裏一体で、すっごく空気が乾燥するということでもあります。つむつむ君がよく乾燥のためか咳をコホコホしていたので、すっごく強力な加湿器を買いました。そして、おそらくこの加湿器の電気代がけっこう高い…ような気がしています。※象印 スチーム式加湿器 タンク容量2.2L ホワイト EE-RM35-WA
濡れたタオルを干しておけば乾燥は防げるのではないかと思い、冬は洗濯物を部屋干ししていましたが、それだけでは間に合わないほど乾燥します。
そして、もうひとつの薪ストーブの好きなところは、朝起きた直後でも家の中が暖かい所。どういうことかというと、夜に薪を十分に補充して、家の中をぬくぬくと暖めた状態で寝ると、次の日の午前中まで暖かさが持続します。なので、急いで暖房器具をつけなきゃ冷えちゃって…という状況が、今年はありませんでした。だから「今年の冬は寒かった」という印象がありません。
あとは、暖房器具の燃料代がいらないところ。これは後ほど詳しく書きます。
【薪ストーブのここが大変】
薪ストーブの大変な所といえば、とにかく薪の確保だと思います。うちは山なので、自治会で支障木伐採という作業が半年に一度あり、そこで倒した木を周りの人たちと分け合います。6〜7軒薪ストーブの家があるので、みんな木が欲しい気持ちは一緒です。頑張って伐採し、薪割りをしています。
それに加え、旦那さんが薪をもらいに山のお寺に作業に行きます。一年分で3~4回、車にパンパンに積み込んできておよそ1年分です。お寺など、山を所有してる人からしたら、木がどんどん成長してしまうのはお手入れが大変だそうで、業者に依頼するとすごい金額になってしまうそうです。木が成長して困っている人と、木が欲しい人の需要と供給が合っているから、うちとしては非常に助かります。
ただ、この作業が相当大変らしいです。ガチなチェーンソーとノコギリを持って、朝から晩まで木を切って車に詰め込んでます。(車も、大量に薪を運べるハイエースとか軽トラが重宝される)その後は降ろして薪割りをして、およそ一年間くらい薪棚において乾燥させます。なので、冬が終わって棚が空いたら、すぐに来年度の薪を用意する必要があります。うっかりしてると、翌年の薪が無い!ってことになっちゃいます。
たぶん、街中で生活していたら薪の確保で苦労しそうな気はします。買うとけっこう高いですし。
あとは、慣れるまでは火をつけるのに時間がかかってました。今はだいぶ覚えて5分くらいあれば着けれるようになりましたが、慣れるまでは1時間とか火をつけるのに格闘してました。(必死にふーふーってやってました)日々のお手入れは、灰を片付けるくらいなのでそんなに大変ではありませんが、年に一度、冬が過ぎたら煙突を掃除しないといけないので、それはちょっと大変かも…
それから、子どもがいる家庭は、薪ストーブに触らないように柵が必要だったりします。目を離せないので、よちよち歩きをしそうな来年からは、ちょっと大変になりそうな予感です。
あとは大変というよりは、そもそも家の場所によっては設置できないこともあります。周りの家に迷惑になってはいけないし、煙突からは煙がモクモク出ちゃいます。
家の形状によっては、薪ストーブで部屋を暖めるのに時間がかかることもあるようです。我が家はほぼ吹き抜けなので、二階がものすごく暑くなります。上昇した暖気をシーリングファンを下向きにまわして、1階を暖めるという感じです。
【薪ストーブ生活、ひと冬の燃料代】
だいたい一ヶ月でどれくらいの暖房代がかかったかというと、薪代は0円、加湿器の電気代(たぶん薪ストーブじゃなかったら、かからなかった金額)3000円、灯油ストーブの灯油代(薪をつけるまではいかないけど、ちょっと肌寒いときに着けた分)18L×3回で4500円くらい。
エアコンをずっとつけているよりは、かかっていないです。
ただし、万が一薪が確保出来なくて購入するということになった場合は、かなり薪代でかかります。家の中をポカポカにしておきたい、と思った場合はどんどん薪を追加しないといけないので、ワンシーズン30万くらいかかることもあるのだとか。
薪を購入するとなると、めっちゃ高いです。灯油代より電気代よりかかるんじゃないかなあ…
【薪ストーブの購入を考えるなら…】
というわけで、情報だけで見てしまうと薪ストーブ君、圧倒的に不利な状況です。燃料代や時間の効率化といったコスパ重視の生き方の人からしたら「損」以外のなんでもありません。大変なのに、労力使うのに、時間もかかるのに…お金もかかるなんて。笑
ただし、人生の豊かさはコスパの良さではありません。むしろ反比例するのではないかと。
いかに、不便を楽しむか。いかに、生活と言う日常の中に遊び心を取り入れるか。いかに、自然と共存するか。いかに、身体で地球のエネルギーを感じるか。
そういうのを重視する人であれば、最高の遊び道具なのではないかと思います。
家を建てる時に、薪ストーブ実際どうなの?と思っている人がいたら、ぜひこう言ってあげたいです。
「薪ストーブがあると、冬が待ち遠しくなるよ!」
以上、今年の薪ストーブのまとめでした。また来年の冬がくるのが楽しみです。来年はつむつむ君と焼き芋しようと思います。
コスパももちろん大事、
、、というか、現実的に無視できないけど、
どれだけコスパ以外の判断基準を持てるかが、
豊かさにつながるんだと思います。
火も自分で着けれるなんてカッコいい!!