セロリの筋が教えてくれること

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セロリが好きです

 

でも、なんだか料理のレパートリーがあんまりなくて、たまーにしか買いません。炒め物にするか、ディップするか、サラダに入れるか、漬物にするか。あの独特の風味はもっと何かに使えそうなんだけどなあ…

そんなわけで先日久しぶりに足助のスーパーパレットでセロリを買いました。

洗って、筋を取って、、、と思ったのに、どう見ても筋が見当たらない。

よーく見てみると、筋を取ってあるような跡がある。試しに食べてみると、丁寧に全ての筋が取り除かれていました。
 

セロリには筋がある

 

「セロリには、筋があるからね、口に残らないように、根元の方から包丁を入れてすーっと引っ張って筋を取るという下処理が必要なの。」

何にも料理ができなかった私に、昔働いていたカフェのキッチンで、セロリ好きのオーナーが教えてくれたこと。

どのお店でセロリを買っても、当たり前のようにあるセロリの筋。

それが、このセロリには無い。

もし、お店が意図的に筋を取ってくれているとしたら、なんて優しいのだろう。だって、セロリですよ。キャベツでもレタスでもなく、どどーんと食卓の上でアピールするわけでも無いセロリ。そのセロリの筋を取って、売っているとしたら。

お客さんの身になって考えないと、こういう発想にはならないような気がする。

この足助のスーパー。前から大好きなのだけれど、より好きになったような気がした。

たかが、セロリの筋。でも、そいういう細かいところだからこそ、感動する。値段でもなく、お洒落さでもなく、気の利いた一言でもなく。そんな武器がなくても、人をファンにすることが出来るのかもしれない。すごい。
 

丁寧な仕事が愛される

 

この前、イベントでキッチンカーのバインミーを買った。

スピードが勝負でもあるイベントの日のキッチンカー。ある程度作り置きしたり、途中まで仕上げていたりするお店が多い中、一から(パンに切れ目を入れるところから)その場で作ってくれた。

もう。それが美味しくて美味しくて。

オーナーさんは「まだ始めたばっかりで要領が悪くて。時間がかかっちゃって申し訳ない」と言っていたけれど、それを待つのって全然苦じゃない。むしろ、ポンポン出てくるより、その時間も愛おしい気がする。

 

他のお客さんの注文を見ていたら、梨ジュースはその場で梨を剥いていた。す、すごい。私だったらビビって、ある程度の個数は剥いておいてしまうと思う。それはお客さんのためという名の、自分のためだ。早く提供することをお客さんのためだと最優先するのか、一つ一つもっとも新鮮な状態で提供することをお客さんのためだと最優先するのかは、オーナーの考え方が求められるところだけど。早く提供したい、には自己保身も含まれるのだと思う。

目の前でコーヒーを淹れてもらうのが、たまらなく嬉しいように。目の前で自分の分を調理してくれるというのは、やっぱり嬉しい。そして美味しさは倍増する。(視覚的効果も関係あるのかもしれない)

丁寧な仕事は、愛される。

丁寧な仕事というのは、礼儀正しくうやうやしく仰々しい、とは別物だ。堅すぎる敬語と、過剰すぎる梱包はちょっと似ている。大きな組織ほど、この辺りの調整が苦手な気がする。画一的に全てを丁寧に丁重に慎重にするのは、その場の空気感の魅力を殺しかねない。

大切なことは丁寧に。力を抜いていいところは、適当に。それくらいがちょうどいい。

セロリから、そんなことを学んだ1日。スーパーから学ぶことも、結構あるのかもしれない。只今、絶賛主婦満喫中。ナカジマノゾミでした。

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